上海への留学

文明交流の虹色の絆を紡ぐ:上海大学留学生が宝山区文化館で文化体験

Jul 28, 2025

 7月23日午後、12カ国から集まった上海大学の留学生15名が宝山区文化館を訪れ、第23回「江南の春」美術作品展を鑑賞しました。素朴な筆致の農民画、きらめく漆絵、繊細な切り紙細工を通じて、江南文化の鼓動に触れる貴重な機会となりました。特に「手織り技術体験」ワークショップでは、留学生たちが自らの指先で中国の「耕織伝家」の知恵を体感し、多彩な文明交流の絆を織り上げました。

 

■ 芸術の窓:多様な江南が喚起する文化的共鳴

 展示会場では、留学生たちが江南芸術の多様な表現に魅了されました。カレンダーに描かれたチャイナドレスの美女、連環画に登場する下町の物語、油絵に表現された古鎮の雨煙が、伝統と現代が融合した江南の姿を鮮やかに映し出しています。

4.jpeg

 江南の水郷祭りを描いた農民画は特に人気を集め、賑やかな市場と色鮮やかな魚型ランタンが、作者の生活への愛にあふれていることを感じさせました。

5.jpeg

 インドネシア出身のマイクさんは織物シーンを描いた作品の前で足を止め、「中国のジャカード織り技術はインドネシアの伝統的なバティック(ろうけつ染め)と通じるものがあり、一枚一枚が職人の芸術作品だ」と感慨深げに語りました。

 

■ 織物の架け橋:指先の技が文明対話を活性化

 江南の針目一つ一つ、絵の具の一塗りには、自然や時間との対話が込められています。この国境を越えた文化的対話をさらに深めるため、主催者は「手織り技術体験」を特別に企画。無形文化遺産伝承者の解説で、元代の紡織技術革新者・黄道婆が「衣類で天下を覆う」偉業を成し遂げたこと、江南の綿紡織技術が古代海上シルクロードの繁栄をどう支えたかを学びました。

8.jpeg

9.jpeg

10.jpeg

 ミニ織り機の「カタカタ」という音とともに、留学生たちは自らの物語を糸に託しました。砂丘の連なりを思わせる作品、きらめく湖面を表現した作品、母国の伝統祭りの配色を取り入れた作品など、多様な美が交錯する様子は、文明相互理解の生きた証となりました。

 

■ 文明交流:双方向の歩み寄りが紡ぐ新たな物語

 この時空を超えた対話を通じ、江南芸術は静的な展示物から流動する「生きた水」へ、紡織技術は単なる古代の手工芸から世界をつなぐ「絆」へと変容しました。異なる文明の色彩が一枚のタペストリーで融合する様は、人類の美への普遍的な追求が、民心の相通うる新たな章を刻んでいることを物語っています。

 上海大学は「今後も、留学生が中国文化の深みと温もりを没入型で体感できる多様な実践活動を展開し、より多くの国際学生を導いていきます」と今後の方針を表明しました。