上海への留学

歌と古典で体感する漢方医の魅力~上海中医薬大学で国際学生向け「漢語橋」イベントを開催

May 12, 2025

上海中医薬大学国際教育学院はこのほど、国際中国語日を記念し、中華文化の海外発信を推進するため、「歌声で中国語を伝え、古典で中医を讃える」春の文化体験イベントを開催しました。ピクニックや漢服体験、歌合戦、漢方薬古典の朗読など多彩なプログラムを通じて、中外文化交流の架け橋となり、20カ国以上から集まった70名以上の留学生が参加しました。

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文化のルーツを探る:

漁墩古村見学で歴史に触れる

 イベント最初の訪問地は奉賢区四団鎮の漁墩村。留学生たちは村の歴史館で、百年の歴史を誇る漁村と中医文化が融合した歴史の解説に熱心に耳を傾けました。館内に展示された漁船の模型や昔ながらの蓑笠の前で足を止め、指導教員とともに「孤舟蓑笠翁、独钓寒江雪(孤舟の蓑笠の翁、独り寒江の雪を釣る)」などの漢詩を朗誦。中国の伝統文化への理解を深める貴重な機会となりました。

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芸術の融合:

歌声と伝統劇の共演、古典に新たな命を

午後、参加者たちは中国伝統衣装の漢服に着替え、宝龍文化広場に会場を移しました。ここで開催された文化交流公演では、留学生たちが準備を重ねた8つの中国語プログラムを披露しました。中国の有名ポップス「月亮代表我的心(月は私の心を映す)」やネットで話題の「爱人错过(運命のすれ違い)」の演奏では、会場の観客も一緒に歌う大合唱が生まれました。特に注目を集めたのは、アフリカ出身の留学生たちによるパフォーマンス。漢服姿でアフリカの伝統舞踊を披露し、会場を熱気に包みました。これに対し、地元の青渓小学校の学生たちは中国伝統劇・越劇の名場面で応え、「梁山伯と祝英台」の別れの場面「十八相送」や、「紅楼夢」の「西廂記朗読の場面」を繊細に演じました。伝統的な水袖の舞や柔らかな蘇州方言によるせりふに、留学生たちは熱心に見入っていました。ステージでは、子供たちの澄んだ歌声と留学生たちの異国のメロディが響き合い、伝統と現代が調和した瞬間に、会場からは大きな拍手が湧き起こりました。

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漢方医学体験:

漢方の知恵が生活に溶け込む

公演終了後、参加者たちは春のマーケットエリアで自由散策を楽しみました。漢方薬を使った香り袋作りや、二十四節気に基づく薬茶の試飲、伝統飴細工の体験コーナーでは、留学生たちが実際に手を動かしながら漢方医の生活文化に触れました。イベントの最後には、参加者全員で『黄帝内経』の一節を朗誦。留学生たちは四団鎮社区衛生服務センターの医師たちとともに、「春三月,此谓发陈」(春の三ヶ月は万物が蘇る季節)という有名な文言を唱和し、中国文化体験の集大成としました。

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  今回のイベントは、言語学習と文化体験をユニークに融合させたプログラムが特徴でした。「遊びながら学び、演じながら理解する」という参加型スタイルにより、留学生たちは緑あふれる自然環境の中で中国語の美しさを実感するとともに、古典医学書の朗誦などを通じて漢方医の深遠な思想に直接触れる貴重な機会となりました。

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