上海外国語大学
study-shanghai.orgJan 19, 2022
上海外国語大学(Shanghai International Studies University)(中国語略称「上外」、英語略称「SISU」)は新中国初の外国語高等教育機関として、1949年12月に創立され、現在、国家教育部に直属すると同時に、国と上海市が共同建設する全国重点大学であり、国の「211プロジェクト(21世紀に向けて建設する100の重点大学)」にも選ばれています。本学は「格高志遠、学貫中外(品格高くして志遠大に、中外の学に通ず)」という校訓を掲げ、「世界への理解、未来を形作る(詮釈世界•成就未来Interpret the World, Translate the Future)」という大学運営理念のもと、「国家の発展、人材の全面的成長、社会の進歩、中外の人文交流のために貢献する」ことを使命に、国別地域研究及びグローバル知識分野における鮮明な特色を有する世界一流の外国語大学を目指しています。
歴史と伝承
上海外国語大学は中華人民共和国と同い年に生まれ、その前身は「華東人民革命大学付設上海ロシア語学校」で、著名なロシア語翻訳家、出版家、中国百科全書事業の創始者でもある姜椿芳氏が初代校長を務めました。その後、「華東人民革命大学付設外国語専修学校」、「上海ロシア語専(修)科学校」、「上海外国語学院」などと名称を変更し、1994年に現在の大学名となりました。七十年近くの歳月の中で、方重、王季愚、夏仲毅、徐仲年、凌達揚、董任堅、陸佩弦、顔棣生、楊寿林、漆竹生、銭維藩など、傑出した大家がここに集まり、大学の伝統が育まれ、数多くの人材が世に送り出されました。
教育の強み
創立以来、上海外国語大学は、常に他にリードする学科の強みと高い教育水準を保っています。二つの「一級学科」(外国言語文学、政治学)の博士コースと博士後研究員制度を同時に有しており、国内同種類の大学では唯一です。教育部による大学学科評価や、QS世界大学ランキングなど、国内外の評価制度において、全国トップレベルを保っています。
本学で開講されている言語はすでに29種類(英語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、アラビア語、日本語、ギリシア語、イタリア語、ポルトガル語、韓国‐朝鮮語、ペルシャ語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、スウェーデン語、オランダ語、ヘブライ語、ウクライナ語、トルコ語、ヒンディー語、ハンガリー語、ウルドゥー語、ウズベク語、マレー語、ジャワ語、スワヒリ語、パシュトー語、中国語)に達し、ほかに、ラテン語、古代ギリシア語、古英語、エスペラントなど、古代言語と人工言語の講義もあります。
現在、本学はすでに言語文学系学科の強みを生かした文学、教育学、経済学、管理学、法学など、調和の取れた五種類の学科構成が形成され、鮮明な特色を持ち、多極同時進行となっております。近年、本学の特色がいっそう強化され、すでに存在する3つの国家レベル重点学科(英語言語文学、ロシア語言語文学、アラビア語言語文学[育成])、1つの国家レベルマイナー言語学部人材育成基地(西欧諸言語)に加え、新たに、10の国家レベルの特色ある専攻育成プロジェクトの認定を受け、6の学科が上海市大学一流学科(そのうち外国言語文学専攻は最高ランクの「A類」)に選ばれました。
本学にはアジア屈指の高級翻訳通訳学院があり、国際会議通訳者協会(AIIC)の格付けでは最高ランクを獲得し、香港、マカオ、台湾を含む中華圏で唯一、世界トップ15入りを果たした専門会議通訳養成機関で、「中英通訳」に関して世界1位となりました。国際通訳翻訳大学院協会(CIUTI)もここで「アジア太平洋地域オフィス」を開設しています。
人材の育成
上海外国語大学では、人材育成の幅が広く、各レベルにいきわたっています。学部専攻40(言語系26+非言語系14)、一級学科修士コース7(外国言語文学、政治学、応用経済学、教育学、中国言語文学、ジャーナリズム及びコミュニケーション学、工商管理)、二級学科修士コース38、専門職修士コース5(工商管理(MBA)、翻訳通訳(MTI)、中国語国際教育(MTCSOL)、金融(MF)、法律(JM))、一級学科博士コース2(外国言語文学、政治学)二級学科博士コース17、博士後研究員コース2(外国言語文学、政治学)。
国の「一帯一路」及び「文化の海外進出」戦略に従い、本学はいち早く人材育成モデルの革新を図り、「多言語+」卓越国際化人材育成戦略を打ち出し、グローバル事業に広く適用できる人材と、特定の国と地域或は分野に精通した専門人材の育成に取り組んでいます。その中に、優れた外国語人材、多言語ハイレベル翻訳通訳人材、多言語マスコミ人材、ボーダーレスビジネスマネージメント人材、応用経済学国際的創新人材、国際法律人材、国際組織人材などの育成が含まれます。
本学はすでに、新華社通信、中国日報(China Daily)、英国勅許公認会計士(ACCA)、第一財経メディア(CBN)、上海テレビ国際チャンネル(ICS)などと教育提携関係を結んでおり、長江デルタ地域大学単位互換制度も導入しました。イギリスのオンライン教育機関FutureLearnと連携して、ムーク(MOOC)の推進を始めています。
優れた研究
本学は多言語、学科横断型の総合的優位を元に、国家と地域の戦略に対応して、常に外国言語文学の伝統的な強みを生かし、政治学を新たな成長ポイントに位置づけ、国内外のハイレベル研究チームを団結させ、大学における学術シンクタンク群の創出に取り組んだ結果、言語文学、国際関係と地域国別研究の分野で高い学術的地位を築き上げました。
本学にはハイレベル研究機関が数多くあります。教育部人文社会科学研究基地1(中東研究所)、国家語言文字工作委員会科学研究基地1(中国外国語戦略研究センター)、教育部地域と国別研究基地3(EU研究センター、ロシア研究センター、英国研究センター)、上海市大学人文社会科学重点研究基地1(G20研究センター)、上海市哲学社会科学創新研究基地2(中外文化ソフトパワー比較研究基地、言語文化圏視野における地域国別研究基地)、教育部教育管理情報センター共同建設基地1(教育情報化国際比較研究センター)、上海市人民政府発展研究センター共同建設基地1(外国文化政策研究基地)、上海市社会調査研究センター分センター。
大学にある70あまりの研究機関と学術団体は、言語政策提案、国際外交戦略、国際世論研究を中心に、「政産学研用」が結びついた研究成果の応用チャンネルを構築しています。国と地方政府の政策制定のために知的サポートを提供し、一連の研究成果が見られました。2016年、中東研究所、中国国際輿論研究センター、中国外国語戦略研究センターが第一期「CTTIシンクタンク索引」に選ばれました。ほかに、眼球運動や脳波の実験装置も導入され、言語学、管理学、認知神経科学を跨ぐ心理言語学、神経管理学、通訳研究など、最先端研究の試みも進められています。
本学は現在、学界で知名度の高い11種類の学術雑誌を編集出版しています。そのうち、『外国語』は国家社会科学基金の第一期重点助成金も獲得し、米国現代言語協会(MLA)により収録され、「全国社会科学系大学誌トップ30」に入選した唯一の外国語関連誌でもあります。一方、大学は外国語研究の学術ウェブサイトの建設にも力を入れています。同時に、積極的に海外における中国語学術雑誌の出版事業と中国の有名学術研究書の外国語訳に取り組み、学術的な影響力と国際社会における発言権を強くし、中国における哲学、社会科学の発展と繁栄に貢献しています。
国際的な視野
上海外国語大学は、新中国で最も早く国際交流を始めた大学の一つであり、創立当初から今まで外国人専門家を招聘しています。大学は国際化を発展戦略の核心と位置付けており、すでに56の国と地域にある360以上の大学と文化教育機関及び国際組織と協力関係を結び、国連本部及び各関連機関、EU委員会、欧州議会などの国際組織とも協力枠組み協定を調印しています。
本学では、学生が世界に目を向け、多元的な文化環境の中で成長し、十分に世界の高等教育の優れた成果と進んだ経験を吸収することが推奨されています。2016年、学部生の43%が海外交流経験を有し、国家留学基金優秀学部生交流プロジェクトの数が55にも上りました。大学院では、62名の大学院生が共同育成学位コースで国費留学しています。大学における教師陣の国際化も進み、80%以上の教師が海外留学又は交流経験を有し、外国人専門家も200名を超えました。
本学は長期にわたる実践と研究を踏まえ、外国人向けの中国語教材を編集、出版し、世界の文化交流と融和を積極的に推進しております。毎年世界各国から約4000名の留学生が本学を訪れ中国語をはじめとする関連学位課程で学び、その規模は全国トップレベルのものであります。本学はイタリアナポリ東洋大学、日本大阪産業大学、ペルーカトリック大学、ハンガリーセゲド大学、スペインマドリード自治大学、モロッコカサブランカハッサン二世大学、ウズベキスタンサマルカンド国立外国語大学、カナダウォータールー大学、ニューヨーク市立大学と提携して、孔子学院を9校設立し、加えてメキシコで教育センターを設立し、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、北米と南米で中国文化を広め、世界各国との交流を推し進めております。
大学の施設
上海外国大学には虹口と松江と二つのキャンパスを有し、総面積74.7ヘクタール、虹口キャンパスは魯迅公園に隣接し、松江キャンパスは上海文化発祥の地である佘山と広富林遺跡からほど近く、一体感を持ちながら、それぞれの特色もあります。
大学図書館は全国外国語大学図書館連盟に加盟しており、両キャンパスにある図書館の他、「ファイサル国王図書館」を始めとする11の特色文献資料館もあります。蔵書総数105.3万冊(うち半分以上は外国語の原書)、電子書籍142.1万冊以上となっています。中外の新聞雑誌1275種類、電子雑誌15000種類、48の電子資源データーベースと9の独自開発データーベースもあります。教育と研究のニーズにこたえるために、大学は各種メディアと外国語の視聴覚資源を統合し、大規模のデジタル音声映像教育資源データベースを作りました。大学には、世界一流の同時通訳システムをはじめ、言語実験室など、進んだ教育施設が揃っております。
社会貢献
本学は知識の習得、応用と伝播に長年注目し、中国の外国語教育事業の発展に全力を注いでまいりました。上海外国語教育出版社(外教社)は国内最大規模の権威ある外国語出版基地の一つとして、すでに30言語の図書、教材及び電子出版物を7000種類以上出版し、合計部数が7億冊、再版率70%を超えています。2015年の「中文学術図書引用索引(CBKCI)」に収録された外教社の図書は、外国言語文学系でトップとなり、社会的影響力の高さが伺えます。
本学の教師と学生は、常に専門性を生かし、各種国際会議、スポーツイベントなどでスタッフやボランティアとして参加し、言語サービスなどを提供しています。
上海外国語大学は目下、積極的に「多言語+」戦略を推進し、グローバルガバナンス人材の育成に取り組んでいます。人材の特色として、「言語の習得、関係国家事情の理解、特定分野の専門性」を強調し、つまり、高度な文化的素養をもとに、イノベーション精神と実践力を有し、強い専門能力を生かしてスムーズに異文化交流のできる「卓越国際化人材」です。創立して70年近く経ち、上海外大の卒業生は世界各地で活躍し、国の外交、経済、文化の繁栄、社会の発展のために、我が国と世界各国との友情を増進させるために貢献し続けております。(以上の情報は上海外国語大学公式サイトより)
出典:「上海外大について」(上海外国語大学)