千年の古都に息づく文明の鼓動を探る:同済大学留学生「中国を感じる・千年古都西安にて」
Dec 8, 2025
このたび、同済大学留学生事務室は「中国を感じる・千年古都西安にて」社会実践活動を企画・実施しました。ドイツ、カンボジア、チリ、ロシア、トルコ、コロンビア、パキスタン、インド、南アフリカ、モーリシャス、ニュージーランド、コートジボワールなどから集った約20名の学生代表が参加。中国の歴史的蓄積、文化的継承、社会発展を自ら体験し、「知」と「行」の融合の中で、中国の過去、現在、未来を感じ取りました。
古城壁に登り、歴史の城垣に触れる

最初の訪問地は西安古城壁。中国に現存する最大規模で最も完全な形で保存されている古代城壁であり、明代の都城防衛システムの傑出した代表です。

学生たちは城壁に沿って歩き、そびえ立つ箭楼(見張り塔)と堅固なレンガの城壁を通して、千年の昔に長安を守った兵士や、行き交う商人たちの活気あふれる光景を思い描きました。十三の王朝の都としての西安の歴史的変遷に耳を傾けながら、「中国の古都」が持つ重厚な歴史と都市の記憶を初めて肌で感じる経験となりました。
碑林の美を探り、漢字の魂を知る


西安碑林博物館では、学生たちは石碑の回廊に浸り、歴代の碑文、法帖、墓誌銘を間近で鑑賞。中国の文字芸術の変遷に触れました。ドイツとインドからの学生は、唐代の楷書や北碑の隷書を目の当たりにし、漢字の美しさと中国書道の背後に込められた文化的精神に深く感動したと語りました。
華夏文明を探り、盛唐の遺跡を訪ねる

大慈恩寺は、唐代の長安で最も壮麗な仏教寺院の一つです。厳粛な雰囲気の中で、学生たちは玄奘三蔵が西方へ経典を求めて旅した故事に耳を傾け、千年以上前の東西文化交流が紡いだ精神的な絆を感じ取りました。多くの学生が、これこそが今回の「中国を感じる」活動における最大の収穫であったと語りました。歴史の中に開放と包容の文化的遺伝子を見出したのです。

その後訪れた陝西歴史博物館では、学生たちは展示室を巡りながら、青銅器、玉器、唐三彩からシルクロードゆかりの文物に至るまで、華夏文明の輝きと連綿と続く歴史を体感。一つひとつの展示品が中華民族の物語を語る窓となり、学生たちは古人の工芸技術の巧みさに驚嘆するとともに、文明交流が持つ深遠な意義について思いを巡らせました。
無形文化遺産に触れ、匠の精神を受け継ぐ
文化体験の一環として、学生たちは永興坊を訪れ、生き生きとした無形文化遺産活動——影絵人形の制作体験授業に参加しました。指導員の説明を受けながら彩色や組み立て、操り方を学び、照明の下で個性豊かな人形たちを動かす体験を楽しみました。



学生たちは「中国の伝統芸術は精巧であるだけでなく、深い情感と哲学的思考が込められている」と一様に感嘆の声を上げ、この双方向の体験を通じて、「無形文化遺産」の背後に息づく人間味あふれる精神を理解できたと語りました。
世界の奇跡に立ち、歴史の迫力を感じる
秦始皇帝兵馬俑博物館では、学生たちは眼前に広がる圧倒的な光景に言葉を失いました。数千体もの兵馬俑が整然と立ち並び、一つとして同じ表情がないその姿は、二千年前の秦の軍団の雄姿を今に伝えています。



熱心に解説に耳を傾けながら秦の始皇帝による中国統一の歴史的意義を学び、さらに兵馬俑の制作技法を自ら体験。土と火が生み出した古代工匠の知恵と技術の高さを実感する貴重な機会となりました。
農村の再生を実感し、関中の文化に浸る
活動の最後を飾ったのは、「関中の原風景を体験する地」と評される袁家村です。関中地方の伝統的な家屋の風情と民俗的な生活様式が色濃く残り、路地には油茶の香りが漂い、庭先からは陝北地方の語り物の調べが聞こえてきます。



学生たちは伝統工芸を体験しながら、この地が文化観光を通じてどのように村おこしを実現してきたかを学びました。中国の発展は都市だけのものではなく、農村にも息づき、伝統の保護と新たな試みの融合の中に独自の活力が宿っていることを深く実感したのでした。
同済大学留学生事務室長の陳毅立氏は取材に対し、近年、デジタル化・知能化の大波が中国留学に及ぼす積極的影響、そして「留学中国」ブランドが規模の拡大から質と価値の二輪駆動への転換という喫緊の課題に直面する中で、「中国を感じる」実践活動も新たな変化を見せていると述べました。
第一に、デジタル技術による「中国を感じる」活動の強化です。活動の企画・運営において、大学はデジタル技術やスマートプラットフォームを活用して活動の効果向上を図ることをますます重視しています。活動中に撮影された写真や動画は、大学の海外向けSNSアカウントなどを通じて再発信され、従来のメディアの情報の壁を越えた発信が実現しています。
第二に、多様な主体が連携する「感じる」生態系の形成です。「中国を感じる」は、従来のように大学が単独で行う分散型のモデルから脱却し、政府の指導、大学の主催、企業の支援、地域社会の参加という多元的で協働的な教育の生態系を築きつつあります。このような連携体制は、中国に留学する学生により豊かで多様な学びの機会を提供し、留学生教育が体系的かつ有機的な発展を遂げていることを示しています。
出典:同済大学留学生事務室
