上海への留学

国際協力で架け橋となれ 上海海洋大学の『小葉子』が輸入博の舞台で青春を描く

Nov 10, 2025

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中国国際輸入博覧会のボランティアチームの中で、「小葉子」の愛称で親しまれる若者たちが、青春の力で温かさを伝え、そして独自の専門性で光り輝いています。上海海洋大学のカンボジア人留学生、錢力さんはその鮮やかな代表例。国際交流への熱意を橋渡しに、グローバルな協働の中で青春の答えを書き記しています。

「専門性で中カンボジア貿易の物語を後押ししたい」

上海海洋大学食品科学と工程専攻の4年生である「小葉子」の錢力さんは、食品加工と国際貿易応用を専攻し、すでに国際協力の分野で豊富な経験を積んでいます。

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2022年から2023年にかけ、錢力さんは上海海洋大学国際学生募集事務局でアシスタントを務め、大学の国際プログラムの広報を担当。東南アジアやアフリカからの志願者が言語や文化の壁を乗り越えられるよう支援し、20名以上の学生の入学を成功裡にサポートしました。

 錢力さんは当時を振り返り、「上海での生活に慣れずにいた新入生がいた時は、キャンパスを案内するだけでなく、東南アジア料理の話で打ち解けるきっかけを作り、さらに先輩を紹介して『留学生互助グループ』を立ち上げたこともあります」と記者に語ります。

 その半年後、その学生は見事に現地の生活に適応し、水産協力プロジェクトを主導するまでに成長しました。卒業時には故郷のドライマンゴーを持って訪れ、「最初は戸惑っていた私が自信を持てるようになったのは、錢力さんが助けてくれたおかげです」と感謝の言葉を直接伝えてくれたそうです。

 まさにこの経験を通じて、ボランティア活動が誰かの夢を育むきっかけとなり得ることを実感。それが今回、輸入博の「小葉子」を志願する大きな原動力となりました。

 「優秀な海洋大学広報大使」として活動する中で、錢力さんは大学の国際プログラムを紹介する際、単なる情報提供ではなく「物語」として伝える技法と、複数言語を切り替える異文化コミュニケーション能力を磨いてきました。

 例えば自身で制作した動画では、カンボジア人学生が「水産物加工」プロジェクトを通じて故郷の産業基盤強化に成功した事例を紹介。堅苦しいデータの羅列ではなく、等身大のエピソードで共感を呼ぶ伝え方にこだわりました。

 さらに、中国語、英語、カンボジア語の3か国語で資料を準備し、必要に応じてリアルタイム翻訳ツールも活用。情報が正確に、そして確実に届くよう徹底しました。

輸入博への参加が将来の目標に

 「博州杯」プロジェクトへの参加が、輸入博の「小葉子」として携わりたいという彼の思いを決定的なものにしました。

 現地調査では、輸入博がカンボジア産熱帯フルーツの中国市場進出をいかに後押ししているかを直接目にします。ドリアンの注文が、展示場での商談から冷凍冷蔵物流による実際の商品化に至るまで、わずか1週間で実現した事例や、カンボジアの対中輸出量が前年比で大幅に増加した事実を知り、グローバルな商取引のスピードと規模に強い衝撃を受けました。

この実体験が、「輸入博の単なる『見物人』から、実際に『参加する側』に回りたい」という気持ちに火をつけました。「自身の専門知識を活かし、中国とカンボジアの間で、さらに多くの貿易成功事例が生まれるよう貢献したい。現地で両国の起業家同士の架け橋となり、輸入博を自身のキャリアの出発点となる灯台にしたいです」と錢力さんは語ります。

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 国際協力の「架け橋」として活躍する錢力さんのように、輸入博では多様な専門性を備えた「小葉子」たちが、ボランティア活動の真髄を体現しています。

 輸入博という舞台では、こうした「小葉子」の姿が数多く見られます。彼らは青春という帆と専門性という櫂を自在に操り、奉仕の心を伝えながら、世界に向けて上海の若者の責任感と魅力を鮮やかに発信しているのです。

出典:留学SHOU