2025年6月6日から19日まで、上海外国語大学中国語学院・国際文化交流学院は「アメリカ人高校生向け中国語・上海文化体験サマーキャンプ」を開催しました。米国ラサール大学附属高校とジョージタウン大学附属高校から16名の教師・生徒が参加し、「異文化理解とグローバル視点～中国語文化を体験し、上海の魅力を探る～」をテーマに、言語文化学習、日中学生交流、上海体験活動の3つのプログラムを実施しました。

一、 中国語学習と文化体験の融合プログラム

　言語文化授業では「言語学習」「文化体験」「実地探訪」の3要素を組み合わせた計7回の授業を実施しました。特に5回にわたる中国語基礎クラスでは、「上海グルメ」と「観光名所」をテーマに、教室での学習と現地体験を効果的に連動させました。授業では、小籠包を切り口に上海の食文化を紹介し、豫園を例に都市の歴史を解説。実用的な中国語表現と文法を体系的に学ぶことで、会話力の向上を図りました。課外実践では教室での学びと緊密に連携し、生徒たちは実際に小籠包を味わい、豫園を見学。教室で得た知識を五感で体験することで、上海の食文化と街並みの魅力を深く理解しました。また、伝統文化として切り紙細工と書道のワークショップを開催。生徒たちは自ら作品を制作する過程で、中国伝統工芸の繊細さや書道の奥深さを体感し、言語学習と文化理解を同時に深めることができました。

二、 日米学生交流プログラム：文化を通じた若者の協働

　中外学生交流では、学院の中国人学生とアメリカ人学生が3つのグループに分かれ、以下のテーマで文化交流を実施しました：第1グループ「中国伝統工芸：押し花団扇作り」、第2グループ「漢方文化体験：薬草茶と書道の融合」、第3グループ「中国語探検隊：楽しく学ぶ中国語の世界」。各グループでは、中国人大学生が文化解説や実演を担当し、米国高校生が実際に制作やクイズに挑戦。和気あいあいとした雰囲気の中、活発な意見交換が行われました。参加者は互いの文化を理解するとともに、共同作業を通じて自然と打ち解け、国境を越えた友情が芽生えていきました。この交流プログラムは、言語の壁を越えて協力し合う若者たちの姿が印象的で、異文化理解の大切さと、次世代を担う若者の可能性を実感させる内容となりました。

三、 歴史・文化・科学技術に刻まれた中国ストーリー

　「上海を感じる」プログラムでは、学生たちは教室を飛び出し、街そのものを生きた教科書として、上海の息づかいを五感で感じ取りました。都市計画展示館のジオラマに映し出される未来図と、万博博物館に息づく世界の文化が交差する瞬間。博物館の展示室に静かに佇む歴史遺産と、外灘のネオンに彩られる現代の賑わいが織りなすハーモニー。プラタナスの木漏れ日が優しく照らす衡復地区の洋館街と、朱家角の水路に揺れる小舟のゆらめき。陸家嘴の摩天楼が描く未来都市のシルエットは、テンセント本社で触れたデジタルイノベーションの息吹と共鳴します。古き良き時代の面影と、最先端のテクノロジーが共存する街角の数々で、学生たちは時空を超えた上海の物語を紡いでいきました。南京路の喧騒の中に潜む「海派文化」のエッセンス、歴史博物館に刻まれた上海の記憶、そして江南水郷のしっとりとした風情——これら多彩な表情を持つ上海との出会いは、学生たちの心に深い感動を刻み込みました。街歩きを通じて、書物だけでは得られない中国のリアルな魅力を、肌で感じ取る貴重な機会となったのです。

　このサマーキャンプは、アメリカ人高校生にとって中国語を深く学び、中国文化を体験する貴重な機会となっただけでなく、中米の若者同士が直接交流できる場としても大きな意義がありました。参加した学生たちは異文化理解を深め、中国の社会・歴史・現代都市の発展について多面的に学ぶとともに、中国語学習と中国文化への関心をさらに高めることができました。上海外国語大学は「今後も、国際的な中国語教育と豊かな都市文化資源を活かし、継続的な若者交流プログラムを展開していきます。よりオープンで寛容な、相互学習を促進する国際的人材交流の新たなモデルを構築すべく、積極的に取り組んでまいります」と将来の方針を述べました。

出典：留学上外