上海への留学

2025上海サマースクール:海洋サステナビリティプロジェクト

Jun 27, 2025

 地球規模の海洋ガバナンスと持続可能な開発が重要な課題として注目される中、上海市教育委員会主催、上海海洋大学主管による「2025上海サマースクール(海洋サステナビリティプロジェクト)」が528日から617日まで開催されました。米国モンタナ州の3大学から21名の教師・学生が参加し、上海海洋大学の13名の学生とともに、3週間にわたって海洋をテーマに学びを深めました。このプログラムは、持続可能な開発と異文化間交流を探求する場として機能するとともに、中国理解を促進する人材育成のプラットフォームとなり、海洋の持続可能な開発に向けたビジョンを共有する機会となりました。

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 上海市の教育国際交流を代表するブランド事業「上海サマースクール(Shanghai Summer School、通称3S)」は、2008年の開始以来、常に中国と諸外国の教育・文化交流の架け橋としての役割を果たしてきました。今回は「海洋の持続可能な開発」をテーマとし、「学術研究」「科学技術実践」「文化体験」の3本柱からなるカリキュラムを構築。グローバルな視野を備えた海洋分野の人材育成において、重要な役割を果たすプラットフォームとなりました。

 学術プログラムでは、最先端の講義と課題研究が用意されました。参加者は海洋資源保護、新エネルギー開発、水生態系修復といった地球規模の課題について、各分野の専門家から最新の知見を学び、現地視察を通じて実践的な調査も行いました。教室では中国と海外の学生が協働し、理論と実例を結びつけながら活発な意見交換を行い、海洋の持続可能な開発についての理解を深めていきました

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 科学技術実践プログラムも充実した内容でした。参加者は臨港AIインテリジェントポートやトップサイエンティスト会議場、滴水湖クラウドホールを訪問。AIやビッグデータといった先端技術が海洋産業の発展にどのように活用されているかを実際に目の当たりにしました。また、現代農業施設や水環境管理プロジェクトの視察を通じて、持続可能な開発の理念が多様な分野で実践されている様子を多角的に学びました。

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 文化交流プログラムは、今回のサマースクールの大きな見どころとなりました。参加者たちは、中国の伝統工芸である切り紙細工の制作や書道の体験、ドラゴンボート競技に挑戦。一針一糸に込められた匠の技、一筆一画に表れる文字の美、一漕ぎ一船に宿るチームワークを通じて、中国の悠久の歴史と文化の深みを体感。特に、伝統芸能の体験では、中国文化が大切にする結束力を実感する貴重な機会となりました。また、上海の一般家庭を訪問し、地元の人々の日常生活に触れることで、教科書では学べない中国のリアルな一面を発見。家庭料理を囲んだ温かな交流を通じて、心の通い合う真の国際理解が生まれました。これらの多彩な文化体験は、参加者たちに中国文化の多様な魅力を伝えるとともに、相互理解を深める良い機会となったようです。

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 3週間のサマースクールを通じて、中国と海外の若者たちは海洋科学技術の探究と異文化協働に積極的に取り組みました。このプログラムは単なる学びの場にとどまらず、中国への理解を深める貴重な機会となるとともに、参加者同士の間に強い友情が育まれました。参加者からは「サマースクールは私たちの視野を大きく広げてくれた」「異なる文化的背景を持つ者同士が協力して海洋の持続可能な開発に取り組むことの重要性を実感した」といった声が聞かれました。プログラム終了後も、参加者たちは各自が設定した研究課題の調査を継続。626日にはオンラインセミナーを開催し、持続可能な開発と科学的ガバナンスに関する研究成果をさらに深めていく予定です。

 2025上海サマースクール(海洋サステナビリティプロジェクト)」は、上海海洋大学の国際教育の深化と国家海洋戦略への貢献を体現するものであり、同時に「人類運命共同体」構想への具体的な実践でもありました。大学側今後も海洋をテーマにした国際的な教育・文化交流を推進し、世界の海洋持続可能性の実現に向けて、さらなる知見と成果を提供したい」と今後の方針を述べました

 

出典:留学SHOU