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二十四節気・惊蛰

study.edu.sh.gov.cn Mar 22, 2022

二十四節気・惊蛰

惊蛰:[jīng zhé]

「惊蛰」の意味:

(*日本語では「啓蟄・けいちつ」であるが、ここは中国語をそのままに使った。)

「惊蛰」は古称で「啓蟄」、中国二十四節気の第三の節気。

その前、昆虫が冬から食べず飲まずに地下に隠れ閉じこもることは「蛰」と、春雷が蟄居していた動物たちを目覚ますことは「惊」と呼ばれるのはその縁起。実は、昆虫は雷の音が聞こえなく、春が来て気温が暖かくなるのは彼らを冬籠りから起こし、「惊」で穴を開いて這い出る原因。

物候の特徴:

(*「物候」も中国語、動植物の周期的現象と気候の変化との関係のこと)

中国の古人は惊蛰時節の十五日を三候に分けた。

一候は桃始華(もも はじめて はなさく):桃の花が咲き始める。

二候は倉庚鳴(そうこう なく):高麗鶯が鳴きはじめる。

三候は鷹化為鳩(たか けして はとと なる):古人は鷹が鳩に姿を変えると思っていたが、実は猛禽は繁殖に北方へ渡り、代わりに子規がよく現れるということ。

これは桃の花、梨の花などの花が咲き始め、高麗鶯が鳴り、燕が戻ってくる時節のことを描くこと。気候の法則によると、惊蛰の前後、中国各地の天気が温まり始め、雨水もだんだん多くなり、多くの地域は春耕の時節に入るという。

また、惊蛰の花信風は、一候は桃の花、二候は杏の花、三候はバラの花。

花信風といえば、中国古人は二十四節気のうちの小寒から穀雨までの八気二十四候をいい、各候には新たな風が吹くとして、その風に対する花をあて、つまり、それぞれ初候から三候に三つの花をあて、全体で24の花を配し、それが風に応ずる花とした。これは花が咲くことと時令との関係を反映しているだけではなく、農作業の目安でもある。

民俗文化:

惊蛰になると、白虎を祭るとか、虫を除けるとか、梨を食べるとか、さまざまな風俗がある。

白虎を祭るのは主に中国広東の周辺地域で行われている。古代人の目では、虎は恐ろしくて崇められるもので、春雷に目覚ました白虎は食べ物を探しに山の中から下りると言われているので、その一年の平安を祈るために、惊蛰の日に白虎を祭ることになる。

虫除けと言えば、害虫も春雷で目が覚めたから、惊蛰になると、農家は箒をもって畑で虫除け儀式を行う。また、蛇、虫、蚊、鼠などを除けるために、艾葉をもって家の隅々まで燻すこともある。

惊蛰に梨を食べる風俗もある。惊蛰を迎えた後、天気が明らかに暖かくて乾燥し、舌が乾き、喉がいがらっぽくなりやすい。そして、梨は甘くて性寒で、肺を潤して咳を止め、陰虚を治して熱を払う効果があるため、この節気に梨を食べることは、体に養分や栄養をつける効果があるという。生のままで食べたり、蒸して食べたり、絞ってジュースを飲んだりして、梨の食べ方がたくさんある。咳がひどい場合、氷砂糖で梨を蒸して食べるのはおすすめである。

参考:中国気象局

   日本大百科全書